看護師としてデビューする際は「まずは病棟で3年間は経験することが大切」と教わって来たナースでも、気が付くとダラダラと働き続けて中堅看護師になっていたということも少なくありません。
看護師ってさまざまな職場や働き方があるからこそ、自分の進む道で悩んでしまうことが多いんですよね?
今回は病棟看護師が職場を辞めたいと思う時期と、実際に働いてわかった働き続けるほどに辞めにくくなる現状についてお伝えしたいと思います。
病棟看護師を辞めるのは3年目~5年目に多い
そして今後の生き方を見直す時期というのが、大体3年目を過ぎたあたり、アラサーと呼ばれる世代にはいったくらいなんですよね。
ある程度業務は1人で行うことが出来るようになり、リーダーなどの責任がある役割を任されるようになるのがこの時期といえます。
と同時に、自分の今後の生き方やキャリアについて考えるように・・・
- 自分はこのまま定年までこの病院で働きたいのか?
- 師長などの役職を目指すのか
- 認定や専門看護師として新しい資格取得を目指すのか
- はたまた全く違う分野にチャレンジしてみたいのか
こんなことを自分の中で考えるようになってくるんですよね。
また同僚や友人なども同じように考え、中には自分のやりたい看護を見つけて新たな道へチャレンジするナースも出てきます。そのような生き方を見ると余計に
「自分の生き方はこれでいいのだろうか?」
と自問自答してしまうんですよね。
実はここまでの話は私が実際に悩んできた現実の話です。
私もだらだらと看護師経験が10年になり、同じ病院でずっと働き続けています。
しかし一緒に入職した動機や学生の仲間はもう9割がいなくなってしまいました。
その理由はほとんど「自分がやりたい看護を目指す」という理由で転職をしてしまったからです。
はたから見れば同じ病院でずっと働き続けている私は、安定した成功組かもしれません。
しかし心の中は、
「自分は定年までここで働くのか?」
「他に興味のある分野に挑戦してみなくて本当にいいのか?」
という葛藤ばかりを感じてしまうのです。
病棟看護師としてずっと同じ職場で働き続ける不安
実際に私は在宅看護や施設での仕事に興味があります。
子育て中ということもあり、日勤帯だけで安定した仕事をしてみたいという気持ちもあるんです。
でも今まで積み上げてきたこの職場でのキャリアをなくすのも怖いし、また一からキャリアや人間関係を気づいていくことも怖いと感じてしまうんです。
でも一生に一度きりしかない仕事を、本当に今の病院だけを極めるのでいいのかという疑問もあります。
あなたももしかしたらこのような葛藤で悩んではいませんか?
働いて経験年数を積むほど退職しにくくなる
私は経験を積むごとに実感しているのは、年々辞めづらくなっているということです。
新人の頃は辞めづらいのが当然ですが、多くのナースが辞めていく3年目以降の中堅組くらいは比較的自由に退職や転職が希望しやすいという傾向があります。
しかし10年くらいの経験を積んでくると、周囲も
「あの人はずっとこの病院で働くつもりなんだな」
「それならそろそろ役職や資格取得を考えてもらおう」
などと、勝手にこの病院を担っていく人材としてとらえられてしまうようになるのです。
実際に5年目を過ぎたあたりから幹部候補のお誘いや、認定看護師や教員を目指すなどの提案をかなりされるようになりました。
その分、辞めづらい雰囲気になってしまうのです。
もともと私は、管理職とか職場の責任を任される仕事(プリセプターも含む)が大嫌い。
自分らしく現場で患者さんと接していることだけが、看護のやりがいだと感じています。
直接患者さんと話して、接して、そのかかわりの中で自分にできる看護を考える・・・
私の看護観は何より患者さんのそばで寄り添って直接患者さんの声に耳を傾けることなんです。
こんな性格だかたもともと上を目指す資格もないのかもしれませんが、私は一生患者さんのそばでたわいもないおしゃべりをしたり、日常生活援助を通してケアを提供できればそれでいいと思っています。
しかし経験を積めば積むほど、このような甘い考えは通用しなくなってくるのが現実なのです。
責任がある業務や職場の管理をするための人間にならざるを得なくなってくるのです。
ですので看護師が辞めやすい時期というのは、私の経験上30歳くらいまでと考えておいた方がいいと思います。
自分らしく働ける看護が見つけられたならラッキー
私は今まで転職もせずに同じ病院で働き続けていた理由は
「新人からこの病院で育ったから」
「特に他の仕事に興味がなかったから」
この2つです。
つまり入職の流れでずっと今までなんとなく働いてきたというのが正直な本音。
でもやりがいは感じるし、職場の環境も悪くなかったから不満も感じませんでした。
しかしだんだん年数が経つにつれ、
「自分はどんな看護がしたいのか?」
ということを考えるようになります。
それでも私は今の職場以外にやりたい看護が見つからなかったためにずるずるとここまで来てしまっているんです。
もちろん今の職場に不満はないけど、でも本当にこれが自分のやりたい看護かと言えばそうじゃない気がする・・・・
だからもし今あなたがやりたい仕事や看護を見つけられているなら、それは本当にラッキーなことなんです。
あなたがやりたい看護があるのであれば、少しずつそれに向けて不安をなくす準備をはじめてみましょう。
やりたい看護を実現する
ちょっとでも気になる看護や職場がある場合には、何も下調べもせずにいきなりチャレンジしてしまうのは無謀すぎます。
まずはその職場がどんな職場で、自分でも働けるのかを調査してみましょう。
多くのナースは働きながら転職の下準備をすすめて、万全な状態で退職をしています。
こうやって水面下でリサーチをしていくことで、今の職場に支障をきたすことなく、次の仕事の準備をすすめていくことが出来るのです。
病棟勤務のキャリアは転職で武器になる
病棟勤務をしている看護師って、転職の際にかなり有利だということを知っていますか?
まず病棟があるほどの大きな病院ということは、基本的な看護技術や知識は身に付いていると考えられます。
それに対し施設やクリニックしか経験がないナースは、病棟勤務よりも知識や技術が劣ってしまいますよね?
ですので、雇う側としても病棟看護師は人気の人材で、あなたが希望すればかなりの高確率で転職を成功させやすいというメリットがあるのです。
実際に私も転職を考えたことがあり、友人からかなり好条件の求人を紹介してもらったことがあるんです。
ナースは転職サイトよりも知人のコネの方が転職しやすいという話
その際になかなか今の仕事がやめられず、丁寧にお断りをした際に、
「〇〇病院に勤めてるんでしょ?1年間待つから上司が来て欲しいって言ってるんだけど」
と言っていただきました。
実際のとこと、私の病院はブラックすぎてそれでも退職をさせてもらえなかったのですが・・・
しかしこのように本気で転職をしようと思った時には病棟勤務の経験はかなり強力な武器になるでしょう。
あなたもキャリアを生かして自分らしく働ける職場を見つけよう
病棟看護師は自分で思っている以上に、他の病院や施設から見ても、優れた人材と言えるのです。
この事を知らずに、だらだらと希望もなく同じ職場で働き続けるのはかなりもったいないと思いませんか?
もしあなたがやりたい看護があるのであれば、早めに行動をして、自分らしい看護ができる職場を見つけてみてはいかがでしょうか?