
今の時代、病院でもクリニックでも当たり前のように電子カルテが導入されています。
今回は電子カルテが何なのか知らない人や私のように電子カルテが苦手だというナースに向けて、電子カルテのことや克服法を紹介していきたいと思います。
電子カルテで何を入力するの!?
【病棟の場合】
- 経過表(バイタルサイン・観察項目など)
- 看護記録(経時記録、SOAPなど)
- 看護必要度
- 点滴や注射の確認、実施の入力
- 看護ケア
- 酸素、モニター装着、軟膏塗布などの処置のコスト入力
【外来の場合】
- 問診票
- バイタルサイン
- 検査の入力、実施確認
- 点滴や注射の確認・実施入力
主なものとしてはこのくらいですが、つまりは紙に書くことはほぼないといえます。
今までは当たり前のように
- ○○チェックシート
- ○○アセスメント
- ◯◯計画書
など正式な記録以外にも、さまざまな形式の書類がありましたが、すべてそれらが電子カルテ内に集約されているのです。
やっとの思いでノウハウを覚えてきたのに、それをまたパソコンで一から覚えなおすというのは、考えただけでも嫌になりますよね。
また薬や点滴の確認も、患者さんの所へパソコンをガラガラ持って行って、そこで名前やら薬、容量、方法、時間などをパソコン上の指示と照らし合わせて確認していきます。
さらにはネームバンドに患者さんのバーコードがついていて、それをスキャンしないと点滴や注射が実施できないようなしくみのところもあります。
誤認を防ぐためには効果的なのは分かりますが、電カルが苦手な人にとっては本当に負担でしかありません。
私も苦戦した・・・
私も電カルに変更になってから産後の育休復帰を果たしたのですが、他のスタッフは既に電カルを習得している中で、私だけ何も知らない状態からスタートでした。
訳も分からないところからのスタートですが、仕事は待ってはくれません。
でも安易にクリックするのも怖いので、いちいち他のスタッフにやり方を聞きながら、覚えていきました。
きっと忙しい中で私に声をかけられて、嫌な思いをしていたスタッフは少なくないと思います。
実際、
「他の人に聞いて。」
と無言で言われたりしますからね。
自分だけスタートが遅いのはかなり辛いです。
若いナースの方が得意という現実
やっぱりパソコンに触っている経験の差でしょうか!?吸収力の違いかもしれませんが・・・
圧倒的に若いスタッフの方が、電カルが得意で使いこなしています。
私が1人のバイタルを測って入力している間に、6人部屋の全員のバイタルからSOAPまで入力していたりします。
もう、自分の無力感しか感じません(TT)
先輩にも見離され、後輩にも「できない先輩」として見下される屈辱感といったら、もうナースやめたくもなります。
ママナースが病棟に復職してショックなこと3つ 育休明けに仕事をやめようかなと感じた理由
ですのでこれから電カルの病院で働こうと思っている方は、自分のパソコンスキルによってはかなり大変な思いもするという事を覚悟しておきましょう。
なぜ時間がかかってしまうのか
ちなみに、タイピング(キーボードを打つこと)が早ければいいとかそんな問題ではありません。
SOAPに関して言えば確かにタイピングの速さも関係しますが、ナースの入力内容は何個もある観察項目だったり、バイタルの入力、点滴の確認だったり、つまり様々な画面を効率よく出していくというのが、スムーズな仕事につながります。
パソコン自体もすぐに次の画面が出てくる訳ではないため待機画面で待たされることも多く、無駄なクリックが多いとどうしても時間のロスに繋がってしまうのです。
特に何もわからない入職したての頃は、とにかくいろんな画面をを見ては戻り、見ては戻り、そして聞く、という繰り返しです。無駄な作業しかしていないとの同じですよね・・・
私が電カルを克服した方法
私は電カルが嫌になって本当に転職まで考えました。
こんな急性期の病棟で、電カルなんかやっていけない!!
もっと落ち着いた病院とか施設もいいんじゃないのか・・・
そう打ち明けたのが、残り少ない同期の友人でした。
その友人から言われたのは
「みんな一緒。電カルはそんなにすぐに覚えられないよ。出来なくてもいいから、とにかくミスやいい加減な確認だけはしないようにすれば大丈夫。」
とこんなアドバイス。
みんな一緒なのか!?
私一人だけできない気がする・・・
そんなもやもやが晴れないまま、ダラダラと、仕事を続けていました。
覚えるというより慣れる方が大切
そんなこんなで何とか1ヶ月を過ぎた辺りでしょうか。
少しずつ要領も覚えてきたり、手抜き!?が出来るところと、確実にしなければいけないことの判断がつくようになってきて、仕事がやっと楽しくなってきました。
あんなに苦手だった電カルもなんとか使いこなせるようになってきた気がします。
つまり、「習うより慣れろ」まさしくこれだと思います。
とにかく触りまくって、間違えて覚えていかないと、電カルのノウハウは身につきません。
私は間違えるのが怖くて、メモに一つ一つクリックのやり方を書いて、見ながら入力していたのですが、電カルの場合も修正は出来るし、すぐ前の画面に戻ることも出来るんですよね。
「入力を間違えてはいけない」
というプレッシャーから入力するのをためらったりしていましたが、今ではスムーズに入力できるようになり、気負わずに仕事が出来るようになりました。
根本的なナースの仕事は電カルの場合でも同じで、内服や点滴の確認などは最も注意を払わなければいけません。
このように、やってみて間違えながら覚えていくというのが電カル習得法だと私は思います。
電カルの病院で働こうと思っている人に
新人としてスタートするなら、新人研修があったりするため割りとスムーズに習得できると思います。
特に挫折しやすいのは、私のように1人だけ途中からスタートする場合。
周囲はみんな電カルが出来るのに自分だけ出来ないとなると、無力感や惨めさなどやる気がなくなります。
でもとにかく2.3ヶ月諦めずに続けてみて下さい。きっと少しずつ出来るようになりますから。
私はあんなに悩んでいたSOAPやバイタル入力で叱られたことは1度もありませんでした。
友人に言われたように、一番重要なのは患者の確認。
その日あったことなんかより、内服や注射などを適切に実施し記録する方が大切です。
長くても3ヶ月続けてみると私のように、ノウハウが分かってくると思うので、電カルが苦手なナースの皆さんもどうか頑張ってみてくださいね。